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カップリング反応試薬:有機ハロゲン化物と 有機金属化合物を選択的に結合
カップリング反応について
クロスカップリング反応とは、2つの化学物質を選択的に結合させる反応ですが、特に有機ハロゲン化物と 有機金属化合物とのクロスカップリング反応は2000年以降急速に利用が拡大され、製薬やエレクトロニクス の分野で種々の化合物合成に幅広く利用されています。
クロスカップリング反応は、有機ホウ素を用いた鈴木カップリング反応をはじめとして、非常に多くの方法が開 発されていますが、ここではその中から、鈴木・宮浦カップリング反応、檜山カップリング反応、Stilleのカップ リング反応を取り上げます。
鈴木カップリング反応
炭素-炭素結合分子へのカップリングで、最も強力なアプローチの一つは有機残基としてのボロン酸あるいは ボロン酸エステル誘導体と、有機ハロゲン化物あるいは擬似ハロゲン化物とのカップリングによる鈴木カップ リング反応の利用です。
しかしながら、鈴木カップリング反応の利用に関しては、商業上利用できる複雑な(特殊な)有機ボロン誘導体 の数が少ないために限られています。 複雑な(特殊な)有機ボロン誘導体の数が少ないために限られていま す。Boron Molecular社は、有機ボロン誘導体に導入される置換基の特性に非常に精通しています
特定の目的のために考案された複雑な分子の合成法を改良改善するためには、置換基の保護及びその後 の除去を、最小限にする必要があります。 この利点は、他の方法論での合成によっては余りにも高価であっ たり、合成が困難であった複雑な新規の有機ボロン化合物の製造を可能にします。
一般的に、反応は非常に明瞭で、高い収率で望みどおりの化合物が得られます新しい技術を利用することに より、簡単に入手できる出発原料から多くの一連の製品群の製造が可能となります。
触媒反応を利用するため、コストと廃棄物の削減が可能になります。2工程あるいはより多くの反応をワンポッ トで行えるため、時間を短縮でき、総合的な収率を改善でき、ユニットコストを低減できます。
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檜山クロスカップリング反応
有機ケイ素化合物をパラジウムなどの触媒により有機ハロゲン化合物とクロスカップリングする合成方法は、 檜山クロスカップリング反応としてよく知られていますが、有機ケイ素化合物の安定性や、フッ素化合物の併 用の必要性などに問題がありました。 このケイ素反応剤は反応後回収・再利用が可能で、またケイ素上をすべて有機基で置換しているため、極め て安定で、檜山爲次郎教授、中尾佳亮助教らは、ケイ素上に分子内活性化に供することができる水酸基を有 する反応剤を用いることで、従来に比べてきわめて穏和な条件下でクロスカップリング反応を行うことに成功 しました。 このケイ素反応剤は反応後回収・再利用が可能で、またケイ素上をすべて有機基で置換しているため、極め て安定で長期保存が可能です。
オーストラリアの有機ケイ素化合物メーカー、Advanced Molecular Technologies Pty Ltd. (AMT)社は、京都大 学からのライセンス供与により、京都大学工学研究科材料化学専攻の檜山爲次郎教授、中尾佳亮助教らの 研究グループが開発した、ケイ素置換試薬 HOMSi™ ((2-HydroxyMethylphenyl)dimethylSilanes) の販売を開始しました。
注:HOMSi™ はAdvanced Molecular Technologies社の登録商標です。
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HOMSi™試薬によるクロスカップリング反応の特徴
- 高い官能基の相互性(amino、cyano、hydroxy、ester、ketone、nitro 等)
- ヨウ素、臭素、塩素を含む各種ハロゲン化合物のカップリングパートナーと反応
- 炭酸カリウムのように比較的穏和な塩基を使用
- フッ化物がない条件で反応
- 室温~75℃での穏和な反応条件
- 必要であれば有機シリコンの副産物は再利用可能
- 適切な保護基を使用することで、クロスカップリング反応を2-hydroxymethyl基上で「オフ」の状態にすることが可能
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Reference
- Y. Nakao et al. J. Am. Chem. Soc. 2005, 127, 6952-6953
- Y. Nakao et al. Pure Appl. Chem. 2006, 78(2), 435-440
- Y. Nakao et al. Sci. Tech. Adv. Mat. 2006, 7, 536-543
- Y. Nakao et al. Chem. Lett. 2007, 36(5), 606-607
- Y. Nakao et al. J. Am. Chem. Soc. 2007, 129 (29), 9137-9143
- Y. Nakao et al. J. Am. Chem. Soc. 2007, 129, 11694-11695
- Y. Nakao et al. J. Organometallic Chem. 2007, 692, 585-603
- Y. Nakao et al. Chem. Lett. 2008, 37(3), 290-291
- Y. Nakao et al. SynLett. 2008, 5, 774-776
Stilleのカップリング反応
Stilleのカップリング反応は、パラジウム触媒を用いて、有機ハロゲン化物または有機トリフラートと 有機スズ化合物との間でクロスカップリングを行う方法ですが、毒性のある有機スズ化合物を使用 することがデメリットとしてあげられる。しかし反応性の良さと穏和な条件で反応が進むことから利 用されることが多い。
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