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Genovis社 抗体薬物複合体(ADC)等の抗体の修飾に関して
抗体に対する部位特異的な修飾に関する技術について
抗体に対する修飾は、生物医学的研究から診断技術や抗体薬物複合体(ADC)の開発に至るまで強力で優れたツールの一つです。最終製品の安定性と免疫反応性を維持しつつ、均質で再現性のある修飾された抗体を得るには、信頼性の高い技術が不可欠です。Genovis社が有するGlyCLICKテクノロジーは、グリカンに特異的標識を施すためのプラットフォームであり、これは、一時配列が不明な場合やエンジニアリングがうまくいかない場合に有用です。
次世代の抗体修飾について
従来の抗体修飾はランダム性の高い方法を使用しています。具体的には、リシン残基にあるアクセスが容易なアミンまたは溶媒によってアクセス可能になる鎖間のシステインに修飾・標識を行います。そのような方法においては、用途は広いですが、至適以下のpH条件を必要とする場合が多く、過剰な標識・修飾やサイト占有率のコントロールが制限されます。したがって、それらが最終製品の安定性、免疫反応性および再現性に影響する傾向があります。部位特異的な修飾方法は、こういった制限を打開するための魅力的なオプションですが、プロセスを制御・安定化するためのエンジニアリングを要することも多いです。GlyCLICKによるFcグリカン部位での結合は、部位特異的であるだけでなく(Fig. 1)、 Fc部位のグリカンを修飾することにより、免疫細胞にあるFc受容体(FcYR)との結合を阻害し、オフターゲット効果も減少させます。
Figure 1. Schematic representation of IgG with different site occupancies and degree of labeling according to the conjugation technology, a) lysine based conjugation (DOL = varied), b) cysteine based conjugation (DOL=0-8) and c) GlyCLICK conjugation (DOL=2.0).
修飾された後の免疫反応性の維持について
イメージングやバイオアッセイ、抗体薬物複合体(ADC)の研究開発に使用される抗体について、低品質な修飾により免疫反応性が損なわれる可能性があります。結果よっては、信頼性が低く、不均一な抗体の調製物が生じます。GlyCLICKを利用した抗体の抗原結合能を評価するために、AlexaFluor®488でラベルされたトラスツズマブをネイティブの同等品またはランダムにラベルされた製品と比較しました。ラベルされた後の結合能はSPR分析を使用して行われ、HER2抗原への結合と解離はGlyCLICKを利用した修飾の影響を受けず、その免疫反応性が完全に保存されていることを示しています(Figure 2)。
Figure 2. SPR analysis. Anti-human IgG (Fc) captured trastuzumab: native (control), DyLight®488 (random) conjugated to AlexaFluor®488 or GlyCLICK conjugated to different alkyne-carrying labels (DOL=2.0). HER2 was injected in a range to ensure sufficient curvature. All data were fitted against a 1:1 mathematical model.
多様な目的に使用できる抗体ラベル化
酵素によるリモデリングとクリックケミストリー(SPAAC)を組み合わせて利用することにより、GlyCLICKは任意のアルキンを有するラベルを部位特異的に抗体に修飾させることができます。GlyCLICKを使用して得られた均質性を実証するために、トラスツズマブに対してアルキンを有する様々なラベルで修飾を行い、F(ab´)2およびFc / 2サブユニットレベルでRP-HPLCにより分析しました。ネイティブなコントロールと比較した場合、結果として得られたピークは、ラベルされたFc / 2サブユニットのもののみ検出されたことを示しています。つまり、使用されているラベルのタイプとは関係なく、GlyCLICKがFc-グリカン部位で特異的に修飾できることを示しています(Fig. 3)。
Figure 3. RP-HPLC analysis of panitumumab unmodified and conjugated with Desferroxamine (DFO), AlexaFlour®488, Biotin or Monomethyl auristatin E (MMAE) digested with FabRICATOR. RP-HPLC was performed on an Agilent 1290 LC using Water Acquity UPLC BEH C4, 1.7 um, 2.1×100 mm column.
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