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Genovis社 抗体薬物複合体(Antibody-drug conjugate: ADC)の特性評価
イントロダクション
抗体は、そのサイズと複雑性のために、特性評価が難しい分子です。 ガン等の疾病と戦う魅力的なアプローチとして、
抗体に薬物(ペイロード)を結合させますが、これは複雑性と不均一性のリスクをさらに高めてしまいます。
抗体薬物複合体(ADC)は、他のIgGベースのバイオ医薬品と同じように、注意深く詳細な特性評価を必要とし、適切な分析
ワークフローを要します。
Genovis社製品の”FabRICATOR”によりADCがサブユニットに消化されることで、この複雑なクラスの薬物の詳細な特性評価が可能になります。また、エンドグリコシダーゼである”IgGZERO”と”GlycINATOR”より、複雑性を軽減し分解能を向上し、インタクトなADC研究も可能になります。
ADCのサブユニット解析
ADCの特性評価は、コンジュゲートされた抗体の複雑性のために困難な場合があり、インタクトレベルでの分析では
LC-MS分析の分解能を制限します。酵素である”FabRICATOR”は部位特的なプロテアーゼであり、ヒンジ領域直下においてIgGを消化し、これはネイティブまたはコンジュゲート抗体の中間レベル(フラグメントレベル)での分析に有用です。
ADCと”FabRICATOR”をインキュベートするだけで還元され、小さな断片(25 kDa)のFc / 2、Fc ‘部位とLC部位の
抗体フラグメントが生成します。これにより中間レベル(フラグメントレベル)の高分解能LC-MSにおける複雑性が軽減されます(図1)。”FabRICATOR”の利用により生成され均質な抗体フラグメントの生成により、薬物-抗体比(DAR)・部位占有率・ADCの生体内変化などの重要品質特性(critical quality attributes: CQA)の分析が可能になります。
インタクトなADCの特性評価
エンドグリコシダーゼを使用してFc部位のN-結合型糖鎖をトリミングすることで、サンプルの複雑性をさらに軽減し、ADCの特性評価を向上することも可能です。具体的には”IgGZERO”や” GlycINATOR”などのIgG特異的エンドグリコシダーゼを適用することにより、ADCから主要な糖鎖による複雑性を迅速に取り除きます。その後、インタクトなADCを種々のMSで分析することにより、薬物-抗体比(DAR)の決定が可能になります。このアプローチのによる複雑性の軽減は、インタクトなADCの研究の際の分解能の向上をもたらし、複数の研究グループにより応用されています。さらに、エンドグリコシダーゼに”FabRICATOR”による消化を組み合わせることで、中間レベル(フラグメントレベル)分析の戦略においてさらに複雑性を軽減することも可能です。
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